セロトニンとストレス3では、セロトニンを減らす原因とストレスに関するお話をしました。
やっとタイトルにある「ストレス」が出てきましたね。
今回は前回の終わりに述べた、ストレスの何が問題なのかをお話します。
さて前回のおさらいですが、ストレスには2種類あります。
主に急性ストレス時に見られる「積極的ストレス反応」と、慢性ストレス時に見られる「消極的ストレス反応」です。
積極的ストレス反応では、積極的な行動を促して目の前の状況を切り抜けるような状態が見られます。
反対に消極的ストレス反応では、じっとして動かなかったりエネルギーの消耗を避けて回復を待つような状態が見られます。
そして大切なのは、これらの反応は、自らの意思による選択によって決まっていないことなのです。
我々は、常に自らの自由意思によってその行動を選択しているように感じていますが、実は違います。
もし本当に選択できているのであれば、先に述べた脳内セロトニンが減少することで現れる諸症状や過労死なんて起こりません。
意識的に変えてしまえば済むことですから。
でも現実はそうではありませんね。
ちなみに、世の中で過労死する動物は人間だけだそうです。
そう、我々の行動の根源は自らの脳の選択によって決められています。
脳といっても、エリアとしては脳幹や辺縁系と呼ばれる「無意識下」の脳領域です。
これらは自律神経の中枢だったりホルモンの分泌、生命維持に欠かせない脳領域です。
そして「無意識下」の脳領域ですから、我々がどんなに意識しても意識できないエリアなのです。
特に「消極的ストレス反応」において、無意識下の脳領域では積極的に行動することを選択しません。
この場合、身体的・精神的に行動には適さない感覚や感情が伴います。
疲れ・だるさ・集中できない・気力の減退・不安などなど、様々な感覚が生じます。
でもその時、目の前にしなければならない仕事や家事があったら、皆さんはどうされますか?
多くの方は「疲れたけど、そんなこと言ってられない」と目の前のことをこなすのではないでしょうか。
実はそれが大きな間違いなのです。